United Palace TheaterのMark Knopflerコンサート

kameは高校生の頃からマーク・ノップラーが大好きだ。ダイアー・ストレイツのAlchemyのツアーの時は東京で2回観たし、最新作のGet Luckyは発売当日にAmazonからダウンロードした。

Mark KnopflerのチケットMark Knopflerのチケット

マーク・ノップラー(正確にはノフラーだが慣例に従っておく)が来るということに気がついた時は既に遅し。ニューヨークでの会場、United Palace Theaterでのチケットは後ろの方の席が辛うじて残っているだけ。慌てて近くの会場もチェックしたが、2時間圏内に2ヶ所あった会場は売り切れ。

一度は諦めたものの、元気なノップラーを観られるのは最後かもしれない(こんなんばっか)と思い直し、マンハッタンの北の端、Washintgon HeightsにあるUnited Palace Theaterでのチケットをゲットした。2階の一番後ろの方でしかも左端というかなり嬉しくない席だがやむを得ない。しかも高いぞ。

United Palace Theatre United Palace Theatre

当日は夕方にlulunと待ち合わせて地下鉄で北へ。リチャード・トンプソンスザンヌ・ヴェガの時と違って、マンハッタンなので時間に余裕がある。United Palace Theaterは劇場としても一見の価値があるらしいということだったので、明るいうちに外観をチェック。


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Google Mapで見ても実物を見てもこれに間違いない、という建物があったのだが、今日のショーのことがどこにも出ていない。それより毎週やっているらしい礼拝の告知がそこらじゅうにあって、本当にここなのだろうか、と疑いたくなる。

United Palace TheatreUnited Palace Theatre

とはいえ建物はでかいし実に重厚で、なぜこんなものがWashington Heightsなどにあるのか不思議だ。

あとで調べたところによると、ここは元々1930年に映画館として建てられたもので、その後キリスト教系の教団が買い取って本部および教会として使っていたらしい。今でもその教団が所有しているようだ。

United Palace TheatreUnited Palace Theatre

正面から見ると実に堂々としているし、チケットブースなんかも豪華だ。

United Palace TheatreのチケットブースUnited Palace Theatreのチケットブース

まだ時間が早いので関係者以外の人影は少ないが、ダフ屋はもう来ていて「チケットある?」なんて声かけてくる。ダフ屋が来るコンサートなんて初めてだ。それだけ人気があるのだろう。

本当は会場から道路をわたったところにあるEl Maleconでローストチキンを食べたかったのだが、混んで店の外まで行列ができていたので断念。El Typico Dominicanoで夕食を済ませて再度来てみると、ちょうど開場のタイミングで客がどんどん中に入っていっているところだった。ダフ屋をかき分けながら中に入る。

United Palace Theatreの入り口ホール United Palace Theatreの入り口ホール

内部は評判通り豪華。入ってすぐの空間がどうやら礼拝をする所らしい。今日はここにビール売り場などができている。

United Palace Theatreの入り口ホールの天井 United Palace Theatreの入り口ホールの天井

天井の装飾も見事。

United Palace Theatreの2階ホールUnited Palace Theatreの2階ホール

階段を上がった2階の廊下もすごい。一応アジアっぽいモチーフのようだがどこのものともとれない不思議な様式だ。「カンボジア・ネオクラシカル」とか「ビザンチン・ロマネスク・インド・ヒンズー・イスラム・ペルシャ・折衷・ロココ・デコ」様式、なんていう表現もされているらしい。わけわからんが何となくわかるような気もする。

United Palace Theatreの2階席United Palace Theatreの2階席

中は今までのコンサートやミュージカルの会場と比べるとかなり大きい。このサイズからもPA時代以降の建物だとわかるが、映画館にしては客席の傾斜が急なのは、まだ従来の劇場建築の影響下にあったからだろうか。ほぼ満席だ。2階の後ろのほうだが、ステージは思いのほか良く見える。高さはあるが距離的にはあまり離れていないようだ。しかも前の席の人が視界を遮らないので快適そう。こんへんの設計の良さにはいつも感心する。武道館なんかよりずっといいぞ。

8時きっかりに前座のねーちゃんがギターを持って登場。カウボーイ風のエレキ男も一緒だ。まだ客はぞろぞろ入ってきているところだし、中にいる客もおしゃべりしたりiPhoneをいじったりして全然集中して聴いていない。曲が終わると一応お付き合いでぱらぱらと拍手はする程度。これも修行のうちとはいえ、やっぱり前座は辛いなぁ。

United Palace Theatre

そうしてようやく待望のノップラーバンドが登場。観客も今までとは打って変わった大歓声だ。ノップラーは脚を痛めていて椅子に座っての演奏。メンバー構成は右腕的存在のGuy Fletcher以下、Get LuckyのレコーディングやEmmylou Harrisとのツアーとほぼ同じのようだ。最初の曲はイントロの笛のメロディからBorder Reiverとすぐわかる。Get Luckyを聞き込んで予習した甲斐があった。

選曲は予想以上に地味で、The Ragpicker's Dream(このジャケットがまた地味で良い)から3曲もピックアップしてあった。Get Luckyから4曲、Sailing to Philadelphiaから3曲、Brothers in Armsから2曲選ばれていた以外はDire StraitsMaking MoviesLove Over GoldShangri-Laから1曲ずつ。デルタ・ブルース調の曲も予想以上に演奏したので、渋いという印象が強まったこともある。Kill to Get Crimson、それに名盤Golden Heartからの曲がなかったのは寂しい。まあやらないだろうとは思っていたが、やっぱりTunnel of Loveはやってほしかったな。

それに加えて全体の演奏にも例えばAlchemyの頃のような鬼気迫る迫力はない。いや、これは悪いことではない。控えめだが芸達者な玄人集団が余裕をもって実力を発揮しているという感じなのだ。例えばTelegraph Roadは大仰なアレンジを取り去ると曲の本来の良さが浮き上がってくる。Sultans of Swingをレコーディング当時と同じ4人編成でやってくれたのも良かった。「これやるのは今でも楽しいな」と言ってくれたのも嬉しい。

この日は「NY公演にとっておいた」Monteleoneにまつわるエピソードを話して、「人前でやるのは初めて」と言いながらワルツ調のバラードをやったのには驚いた。いい曲だけど絶対ライブじゃやらないよな、とタカをくくっていたのだ。代わりにGet Luckyが選曲から漏れたが、これはちょっと得をした気分。当日のレポートと写真は stereogum.comに出ている。

ギターは赤いローズネックのストラト、レスポール、Pensa、スライド用のDanelectro、ドブロ、マーチン、それからPiper to the Endで弾いた見たことのないやつ。ノップラーはギターマニアなのでもっと色々使うかと思っていたが、こう並べてみるとけっこう多いな。でもそれぞれ役割があって使い分けているのは明らかだ。予備に何を持ってきていたかが気になる。

乾杯するノップラーバンドの面々 乾杯するノップラーバンドの面々

Telegraph Roadで終わったらメンバー一同乾杯してご挨拶。それからアンコールにBrothers in ArmsSo Far Awayとやって最後には美しくもお別れの曲にふさわしいPiper to the End

たっぷり2時間近いショーだが、内容が濃いのであっという間に時間が経った。Romeo and Julietの段で、若者だった頃の自分に付き合ってくれたマークの音楽の存在がいかに貴重だったかが実感された。マークよ、ありがとう。無理しない程度にこれからも活動を続けてほしい。できたらもう一度観たい。

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