Holmes Brothers / Rickie Lee Jonesコンサート

リッキー・リー・ジョーンズは今までに2回観ている。最初の時はThe Magazineが出た後で、時期的には悪い頃だったのであまり良い印象はない。アンコールにRainbow Sleevesをやってくれたのが良かったぐらいか。二度目はFlying Cowboysの後、子供を産んですっかりおばさんになった頃だ。この時は元気いっぱいでバックバンドも良く、こうも変わるものかと驚いたほどだ。

火, 2011-07-05 18:02 - City WineryCity Winery
City WineryのRickie Lee Jonesポスター

そのリッキーがCity Wineryで三夜連続のギグをやるという。気がついた時点で一番いい席が取れそうなのが初日の7月5日。独立記念日の翌日だからみんなおとなしくしてるのだろうか。

こういうクラブ形式の会場は初めてなので様子が今ひとつわからない。City Wineryというぐらいだからワインを作ってもいるようで、食事もちゃんとしたものを出すようだ。開演は8時だがリッキーの意向で演奏中は食事を出さないという方針なので、仕事が終わったらさっさと行って食べながら待つか、ということにした。

ところがHudson Square Music & Wine Festivalというイベントの一環で同じ日の5時半からHolmes BrothersがCity Wineryで演るという。Holmes Brotherはロバート・クレイの前座を務めた時に見逃していたのでこれは好都合だ。だがこっちはフリーコンサートなのでどういうことなのかますますわからない。とにかく当日GCTでlulunと待ち合わせてダウンタウンに向かった。

火, 2011-07-05 19:34 - City WineryCity Winery
City Winery

日頃全く行かないTribecaの方だが場所は地下鉄1号線のSpring Stからすぐでわかりやすい。近づいてみると明らかにブルースを演奏している音が聞こえる。角に立っているおじさんが右のほうを指をさしているのでそっちに行くと、中庭のようなところにステージが作ってあってそこでライブをやっているようだ。あれ?中じゃないの?と思いながらも手首に白い紙テープを巻かれて入ってみる。会場は夏の夕方をリラックスして楽しんでいるという感じの人達が大勢でみんな楽しそうだ。

火, 2011-07-05 18:05 - City Winery
Holmes BrothersCity Winery Holmes Brothers
City Winery中庭

Holmes Brothersはおっさん3人編成で、なぜかステージでは小さな男の子もタンバリンを叩いて演奏に参加している。あとでわかったのだがこの子はギターのおっさんの孫だということだ。その後もずっとステージに立って踊ったりしていた。

火, 2011-07-05 18:56 - City Winery
Holmes BrothersCity Winery Holmes Brothers
Holmes Brothers

ブルースからソウル、ゴスペル、ロックンロール、カントリー、それにジョージ・ハリソンか?という地味にポップな曲までを織りまぜ、ギターのおっさんはピアノも弾いたりして良い感じのバンドだ。リードボーカルはギターとドラムが半々ぐらいだが、ドラムのおっさんは見事なファルセットでなかなかのものだ。

火, 2011-07-05 19:31 - City Winery
Katchkie FarmのトラックCity Winery Katchkie Farmのトラック
Katchkie Farmのトラック

7時前には屋内に移動して晩ご飯を食べなきゃ、と思っていたのだが、Holmes Brothersが予想以上に良いので会場に出ている屋台で適当に食べならが引き続き聴くことにした。Katchkie Farmというところのトラックが来ていたのでそこで食べ物を調達。

火, 2011-07-05 18:44 - City Winery
Katchkie FarmのPulled Pork Sandwich, tomato & cucumber salad, strawberry lemonadeCity Winery Katchkie FarmのPulled Pork Sandwich, tomato & cucumber salad, strawberry lemonade
Katchkie FarmのPulled Pork Sandwich, tomato & cucumber salad, strawberry lemonade

メニューはサンドイッチ類にサラダと飲み物のセットで各10ドル。ちょっと高いぞ、と思ったけど素材にこだわっているらしいのでのでまあこんなものか。kameはチーズバーガーとポテトサラダ、lulunはプルドポークサンドイッチとトマトとキュウリのサラダを選択。飲み物はストロベリーレモネードしかない。

火, 2011-07-05 18:44 - City Winery
Katchkie FarmのCheeseburger, potato saladCity Winery Katchkie FarmのCheeseburger, potato salad
Katchkie FarmのCheeseburger, potato salad

食べてみたらけっこううまい。パンはブリオッシュ系で肉の味も良いし、サラダに入っているジャガイモもうまい。レモネードはちょっと甘いが暑い日にこういうのをぐびぐびするのも悪くない。

7:30頃にHolmes Brothersの演奏は終了。表に回って店内に入る。入口で名前を告げるとあっさり席に案内してくれる。ほぼ正面でステージからは10mもない。これだけ近くで観られるのは嬉しい。やっぱり小さい会場はいいぞ。

会場内は客とスタッフが激しく行き交っていてラッシュ並だ。食事を済ませないといけないので注文がどんどん入っているようだ。lulunとkameはもう食べたのでタップのワイン(ここはそういうものがある)、マルベックとピノ・ノワを注文。大きなグラスにたっぷり入ってきたワインはなかなか深みがあってよろしい。蔵元だけのことはある。

火, 2011-07-05 20:04 - City Winery
タップのMalbecとPinot NoirCity Winery タップのMalbecとPinot Noir
タップのMalbecとPinot Noir

8時開演のはずなのにまだごそごそとステージのセッテングをやっている。ようやく店のあんちゃんがマイクのところに立ったと思ったら、今日はリッキーのストックホルムでのライブDVDの発売日で、そのさわりをちょっと映すからみなさん買ってね、という話だった。しばらくDVDを観て、その後さらにステージのセッティング(映写用スクリーンがあるのでDVDを流している間はセッティングができない)。DVDはトリオだったがステージにはラッパ部隊用の譜面台も用意されているので編成はだいぶ違うようだ。小柄で神経質そうなローディーの親玉らしき男が部隊をチェックし、しばらくしてようやくリッキーが登場。

火, 2011-07-05 19:44 - City Winery
Rickie Lee JonesCity Winery Rickie Lee Jones
なかなか始まらないライブ

すっかりばあさんになってはいるが元気そうだ。Piratesと一枚目のアルバムの曲をやるから、と言って始めたのがWe Belong Together。続いてLiving It Up。ストックホルムのDVDがかなりアレンジをいじっていたのに対し、こちらはほぼスタジオ盤通り。客席から「Skeletons!」と声が上がると「そう、じゃ次Skeletons」と言ってSkeletons。まさかこのままいかないよな、と思っていたら次はラッパ部隊が登場してPirates。

ステージが狭いのでリッキーが引くピアノは奥の方にあり、lulunとkameの席からも辛うじてリッキーの顔が見える程度。右寄りの席の人はラッパが邪魔で全然見えないだろう。でも相変わらずのあの声、それにライブならではの圧倒的な声量と歌唱力。何度も鳥肌が立ったのは冷房が効きすぎているだけではない。

火, 2011-07-05 20:52 - City Winery
Rickie Lee JonesCity Winery Rickie Lee Jones
ピアノの向こうでほとんど見えないリッキー

Piratesから6曲やって今度はChuck E's In Loveから入って1枚目から8曲。うお、本当にこれしかやらないんだ、もしかして明日はFlying CowboysとTraffic in Paradiseだったらそれも観たいぞ、などと思っていたが、翌日リッキーがちょっと他の曲も混ぜてみようか、というツイートを流していたのでそいうわけではなさそう。バンドの紹介をするのにアンチョコを見ていたことから推察して、どうやらバックはNYのセッションマンたちでLAから来たのは本人だけのようだ。だからスタジオ盤と同じアレンジなのかあ、とちょっと納得。今時はリハだってリモートでしちゃうんだからすごい時代になったもんだ。

火, 2011-07-05 21:23 - City Winery
Rickie Lee JonesCity Winery Rickie Lee Jones
ギターを弾くリッキー

リッキー・リー・ジョーンズといえば超大物という印象なのだが、改めてwikipediaを見てみると実はよく売れたのは最初の二枚だけで、その後は良い作品も商業的にはたいして成功していないようだ。チャートの何位まで上がった、ということは音楽の良し悪しとは全く関係ないのは言うまでもないのだが、良い作品が正当に評価されないのはファンとしてはちょっと複雑。あんまり売れちゃって小さな会場ではやってくれなくなるのも困るけど。

リッキーはちょっとご機嫌斜めのようで、最初の方で「みんな食事終わった?食べてる人には歌いたくないのよね」とか、途中の曲でチューニングの違うギターを持たされて「これじゃできないじゃない」と言って一曲飛ばしたり、手前の方で喋っている客に「黙らないと出てってもらうわよ」と一喝したり、なかなか気難しそうだ。こりゃ一緒にツアーするのは大変だ。そういえばステージで笑顔を見せたり「サンキュー」と言った記憶がないぞ。終始楽しそうだったポール・ロジャースや、「サンキュー」しか言わないロバート・クレイとは対照的だ。

嬉しかったのは「これはニューヨークで書いた曲、Broadwayと54thだったかな?滅多に演らないんだけ、そうね、最初のツアー以来かなあ」と語ったAfter Hours。地味でステージ向きではないがじーんと来る一曲だ。

そうして最後はCompany。これも歌い出しの"I remember you ..."で鳥肌。エンディングの静かになったところで近くで「チャリン」とグラスが割れる音がして、そっちを見たらおじさんが椅子からずり落ちていった。周りの客が急いで近寄ってしばらくしたら意識は戻ったようだった。単に酔っ払って眠りこけただけかもしれない。が、そっちに気を取られている間にいつの間にかリッキーはステージを後にしていて、アンコールもなし。この事件はリッキーのツイートにもある。

最後思わぬハプニングがあったが、間近で迫力あるリッキーを観られたのは幸いだった。二人で「すごいね、すごいね」と話しながら電車に乗ると、車両のエアコンが故障していてキンキンに冷やされた身体が暖まってちょうどいい。Holmes Brothersも楽しかったし、これで暑すぎなければNYの夏もいいんだけどな。

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コメント

今年になって3人のメンバーのうち2人が他界してしまった。残った一人はまだ活動を続けるらしい。合掌。